2014年5月20日火曜日

昨日の生誕祭での最後の発言を聞いて、思ったこと

 私は、クールでプロ意識の高いちぃずが好きだ。脳パラ千秋楽でスタメン落ちした時も、青ガ初日にユニットを貰えなかった時も、「チーム全体としての節目」を祝う心を優先し、そこに水を差さないよう、「個人的な悔しさ」の感情を押し殺すその姿勢は、一人の「アーティスト」としては紛れもなく正しい姿である。
 ただ、実質的には今の彼女はまだ「アーティスト見習い」の立場である。そして、時として「未熟さ」を売りにすることも必要な「アイドル」でもある。それも、「等身大の少女達が苦しみながら成長する姿」を観客に見せつける「秋元劇場のアイドル」なのである。彼女達を応援する我々観客は「少女達と共に嘆きや悲しみを共有し、自分と一緒に乗り越えていく物語」を欲している。それがたとえ、大人達の創り出したシナリオ(茶番)にすぎないとしても、そこで実際にもがき苦しんでいる彼女達を救うために、我々は金や時間や気力や社会性を投げ打って、必死で応援しようとする。それが、稀代のストーリーテラー・秋元康の魔力にハマってしまった者の宿命なのであり、彼女達に求められている役割は、我々ファンを「本気」にさせるための「物語」を自らの手で創り出すことなのである。
 故に、我々の庇護欲を掻き立てるためには、時に涙を見せることも必要であるし、弱音を吐いたり、悔しさや無念の気持ちを曝け出すことがプラスに作用することも多々ある。とはいえ、それをやりすぎると、今度は「あざとさ」が見えてしまい、逆にファンを冷めさせる要因にもなる。無論、中には「騙されていると分かっていても、それでもこの娘のために尽くしたい」と思わせるタイプのメンバーもいるし、それはそれで、「アイドル」としては間違ってはいない。
 だが、一方で、ちぃずのような「滅多に涙を見せない娘」が好きな観客もいる。というか、最近になって気付いたのだが、私はどうやら、彼女のような「あまり自分の内面を見せないメンバー」を好きになる傾向が強いようである(ゆったん、たなみん、ゆいみん、あいりん、etc.)。そういうタイプのメンバーだからこそ、たまに垣間みれる「本音の感情」に価値がある。滅多に泣かないメンバーだからこそ、極稀に見せる涙に価値が生まれるのである(注:別に、いーちゃんのことをdisってる訳ではないです。性格的に本当に涙脆い娘は、それはそれで嫌いではないし)。
 そのことを踏まえた上で、昨日の生誕祭でちぃずが語っていた「これからは、もっと感情を表に出していこうと思う」という決意に関しては、個人的には悪くないとは思う。秋元劇場で生きていくためには、もっと泥臭さを表に出した方がいいのは確かだろう。ただ、それと同時に、彼女自身の「涙を安売りしないプライド」も捨ててほしくはないな、とも思う。それは間違いなく彼女の美徳であり、そんな彼女の矜持に惹かれた者もいるのだから。
 結局、何が言いたいのかよく分からない文章になってしまったが、一言でまとめるならば「これからも、自分らしく生きていってほしい」というのが、私から彼女に伝えたい一番の言葉である。本音を隠すのも、曝け出すのも、「アーティストを目指すアイドル」としてはどちらも「正解」である。だから、曝け出したいと思った時はぶちまければいいし、隠したいと思うならば無理に語る必要はない。少なくとも彼女は、そこで「どう振る舞えばファンの人々の気を引けるか?」ということを計算出来るタイプではないのだから、迷った時は、後先のことは考えずに、自分自身の本心に従って行動してほしい。
 確かに、「もっと本音を語ってほしい」というのがファンとしての本音ではある。でも、「本音を語りたくない」というのが彼女の本音なら、その「自分の本音」に嘘をついてまで「語りたくない本音」を曝け出してほしくもない。「語りたくないから語らない」というのも、それはそれで間違いなく彼女の「本音」なのだから、我々ファンとしては、彼女のそんな「本音」を素直に受け入れた上で、いずれ彼女が「語りたい」「曝け出したい」と思ってくれる日がくることを、粛々と待ち続ければ良いのである。

 うーん、本当は「年に一度の推しカメラ最高!」とか、「今回はちゃんと『クラップ』と言えて良かったね」とか、「『いちご』版の自己紹介が思った以上にレベル高い」とか、「やっぱり、『泉』コールよりも『ちぃず』コールの方が嬉しいのか」とか、「観客サイドの映像も見たかったなぁ」とか、そういう雑多な感想を織り交ぜて書こうと思っていたんだけど、彼女の最後の一言が、私の中でずっとモヤモヤしていた感情を刺激してしまったので、つい勢いに任せて、自分の中でもイマイチまとまっていない私論をダラダラと書き連ねてしまった。
 いや、嬉しいんだよ、彼女が「感情を表に出していきたい」と言ってくれたことは、ファンとしては素直に嬉しい話ではあるんだ。でも、そこであまり無理はしてほしくないなぁ、という気持ちもある訳で。まぁ、どんな形であれ、これから先も彼女が「自分らしさ」を失うことなく、充実した一年を送ってくれることを祈りつつ、そろそろ総選挙の投票作業を開始したいと思います。

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