2014年5月25日日曜日

「眼鏡」の持つ意義

 本日(正確に言えば昨日)の握手会では、久しぶりに「眼鏡ちぃず」が披露された。しかし、今回の眼鏡ちぃずは、今までとはひと味違う。黒縁の丸眼鏡である。本人は「ボーイッシュ系」と言っているが、これはボーイッシュを通り越して、小学生スタイルではなかろうか。いや、まぁ、小学生男子みたいな女の子って、大好きなんですけどね、えぇ。
 もともと、本来の「眼鏡ちぃず」とは、瞼を痛めて一時的にコンタクトが出来なかった時に公演に出る際の「苦肉の策」だった筈なのだが、それが思いのほか好評だったため、握手会でも稀に出現するようになった、ということは周知の通りである。
 そして、今までの「眼鏡ちぃず」とは、あくまで従来の「イケメンちぃず」の派生品という位置付けだった。正直、「眼鏡=イケメン」という発想は、日頃から周囲に眼鏡男子しかいないような生活をしている私にはよく分からないのだが(ちなみに、私自身はド近眼のコンタクト愛用者)、確かに、今までのちぃずの眼鏡姿は、「イケメン」と呼ぶにふさわしい風貌であったと思う。ただ、それは眼鏡による効果なのかというと、ちょっと怪しいというか、あくまでもそれは「従来のイケメンちぃず」を補完する記号にすぎなかったのではないか、というのが私の認識である。

 ここで、私の本来の活動領域である二次元の世界における「眼鏡キャラ」の持つ意味について考えてみたい。一般的に、二次元世界において「眼鏡」という記号がもたらす効果としては「インテリ」「クール」「真面目」「地味」「ポンコツ」といった属性の付与が挙げられる。このうち、最初の三つはよく一緒くたに混同されやすいが、実際には「直情型の堅物委員長」もいれば、「クールなナンパ男」もいるし、「真面目だが成績が悪いバスケ部のキャプテン」もいるので、概念的には分けて考えるべきである。よって、眼鏡キャラだからと言って、これら全ての属性を持ち合わせている訳ではないのだが、これらの属性のうちのいずれかのイメージを読者に与える効果を持つ記号として、「眼鏡」というパーツは用いられることが多い。
 そして、この「眼鏡」がもたらす効果は、当然、「眼鏡の形状」によっても異なる。今までにちぃずが用いてきた眼鏡は、どちらかと言えば「インテリ」or「クール」系のイメージを与えやすいタイプの形状の眼鏡であった。そして、近年のキャラ萌え論の世界では「インテリ」や「クール」は「イケメン」というキーワードと親和性が高いため、結果的にそれが従来持っている「イケメンちぃず」のイメージと合致しやすかったのであろう。
 一方、今回のちぃずが用いた眼鏡は、どちらかと言えば「真面目」or「地味」or「ポンコツ」系のキャラの記号として用いられやすいタイプの形状である。「真面目」はともかく、「地味」や「ポンコツ」はあまり好意的なキーワードではないが、しかし、決してこれらの属性がもたらすのはネガティブなイメージだけではない。むしろ、それは転じて「親しみやすい可愛さ」を生み出す要素にもなりうるのである(実際、「地味で真面目な眼鏡のドジッ子」は古典的な萌え属性の一つと言えよう)。
 実際、過去の眼鏡ちぃずに対しては「かっこいい」「いけめん」とコメントしていた相笠萌ちゃんが、今回は「めっちゃかわいー」とコメントしている。一口に眼鏡と言っても、その形状によって人に与える影響は大きく変わるのである。

 で、ここから先は100%妄想なのだが、ちぃずとしては「イケメンな自分」を楽しんでいる一方で、たまには「可愛い自分」を見せたい気持ちもあるのではないかと。しかし、あまりにも今の自分のキャラと合わない方向性の可愛さを演出しようとしてもファンが混乱するため、「眼鏡ちぃず」という既に確立された「自分を構成するイメージの一つ」から派生させる形で、ある種独特の「新たな可愛さ」を演出しようとしたのではないか、というのが、私の勝手な思い込みである。
 それが彼女独自の発案なのか、彼女の周囲の優秀なブレーン(?)の助言によるものなのかは分からないが、いずれにせよ、こうやって少しずつ、「より多様な自分」を「従来の自分の枠組」を大きく壊すことなく少しずつ広げていくことが出来るようになったのは、素晴らしいことだと思う。ただ、まぁ、私自身の好みとしては、最初に劇場でかけていた赤縁眼鏡が一番好きなんだけどね。

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